筋力が衰えてくると”面倒くさがり”になるんです。

(筋力低下についてはこちら

筋力が低下した際に出てくる特徴には様々なパターンがありますが、特によく見かけるのがこの”面倒くさがり”パターンです。

これはつまり「疲れる動きはしたがらない」ということです。

例えば立っている時にペンを落としてしまったとして、あなたはどのように拾いますか?
たかだかペン一本拾うのに、ちゃんとしゃがんで拾おうとする人はあまりいないと思います。
なぜなら、重心を上下に移動するのはわりと疲れることだからです。

これは犬もおんなじ気持ちなんです。

おすわりを繰り返すのはスクワットと同じ

スクワット、何回できますか?

スクワットって股関節と膝関節と足首を曲げてしゃがんで立ってを繰り返す動きですよね?
犬がおすわりした際の後ろ足は、ちょうど人間がしゃがんだ状態と同じです。
つまり立ち上がったりおすわりしたりを繰り返すのは、スクワットするのと同じことなのです。

筋肉に対する負荷を考えてみましょう

スクワットって、しゃがむのと立ち上がるの、どちらがつらいですか?

これは、たぶん1・2回くらいなら「立ち上がる方」と答える方もいらっしゃると思いますが
本当にきついのは「しゃがむ方」なのです。
嘘だと思ったら50回繰り返してみて下さい。きっとわかります。
(登山でも登りは平気でも、下りで膝が笑っちゃいますよね)

つまり、筋力が衰えてくると犬もしゃがむのがつらくなってくるのです。
その結果現れるのが「きちんと座れず、どさっとお姉さん座りのように座ってしまう」というサインです。

膝を使わないロボット歩きは筋力低下が更に進んだサイン

おすわりの時ほど大きな動きではないですが、歩いている時も膝を使っているんです。


この写真は、1~3にかけては足を前に引き出す際。
そして4~6は後ろに蹴りだす際の動きをキャプチャーしています。

犬は歩行時、体重が乗っている足の関節はあまり動かしませんが、後足は推進力を産みだす大切な役割があるので、最後の蹴りだし(No.6の写真時)には膝を伸ばします。

ただし、そのまま後足を前に引き出すと、当然つま先が地面を擦ってしまいます。
なので、通常は膝を曲げて前に引き出す(No.2の写真時)のですが、膝を曲げたということは、次の瞬間また膝を伸ばさなくてはいけません。

筋力が低下してくると、この繰り返しがつらくなってくるのです。
その結果どうなるかというと、「膝を曲げずにつま先(爪)を擦りながら歩く」もしくは「足を外に振り回しながら前に引き出す」といった歩き方になってしまうのです。