犬には鎖骨がありません。
これは犬好きなひとや犬を飼っている人なら一度は聞いたことがあるくらい有名な話ですよね。
犬が生き物として活動していく上で、この「鎖骨がない」という事実がどんな影響を及ぼしてくるのか、それを答えられる人はあまり多くはありません。
私たちの体には鎖骨があるので、
肩甲骨から始まるいわゆる「前足」というものに、骨格としての土台がありますが
犬には鎖骨がないので
骨格上で見ると、前肢と胴体は完全に離れて 肩甲骨が浮いている状態になっているのです。
(イラスト参照:オレンジの枠の中
体幹と前肢の間に隙間があるのが見て取れます。)
だからと言って、魔法で浮いているわけではもちろんありません。
犬の前足は鎖骨の代わりにたくさんの筋肉で支えられているんです。
(注:このイラストは「もし犬に鎖骨があったら」という想定で赤線が引かれています。
人間の鎖骨はもっと長いので、間が四つん這いになると肩甲骨は地面と水平になります。)
そして犬の姿勢は通常前肢に7割の体重がかかっているものです。
ということは、
肩甲骨を支えている筋肉への負担は人間のそれとは比較にならないものなのです。
上記の理由から、例えば前足に体重がかかりすぎている場合には時間の経過とともに肩甲骨がずれて「前足に体重が乗りやすい姿勢」になってきてしまいます。
体重の乗り方も左右差があると次第に”まっすぐ歩けずに斜めに進んでしまう”などの問題が発生する場合もあります。
負荷のかかっている肩甲骨は角度が立ってきてしまう傾向があります。
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肩甲骨が立ってしまうと、前肢の可動域が狭くなってしまいます。
また、この原因は、必ずしも前肢の問題ではないこともあります。
犬は四つ足なので、歩行の際には後肢と前肢の連動がとても重要になります。
後肢の可動域や筋力に左右差があれば
それは前肢の動きにも影響を及ぼしてしまうのです。
(股関節の筋力さによる可動域の変化についてはこちら)
ほぐしたい筋肉は、前腕の骨の 尻尾側に在ります。 ただ、筋肉だけつままむには細すぎる 部位になりますので、 右のイラストのように、前腕を握る ようにして、ほぐして下さい。 握った特に手首が動いていれば、ほぐす場所は合っています。
この部位の筋肉は、立っている時に体を支える大切な筋肉です。
脇の下部分は、写真のように親指と他の四本で大きくはさむようにしてもみほぐします。
指の腹で、こりこり硬い筋肉をゆるんだのを感じるように気をつけながらほぐします。
胸の筋肉をマッサージします。
イラストのように、指先ではなく指の側面の平らな部分でほぐしていきます。
胸の中央に“胸骨”という骨があります。その骨から腕の付け根方向へ、少し強めに押し付けるようになでて ください。
片手を肩に置き、もう一方の手で肘のあたりをやさしく掴み、尾側へじっくりとストレッチします。
その後、頭側へ引き出します。
ストレッチは反動などはつけずに、じっくり行ってください。
一回のストレッチは40秒ほど行います。動きが固かったり、わんちゃんが嫌がったら無理に引っ張らないで、できる範囲で行って下さい。
図のように、背側から両手でそっと肋骨を包みます。
手の力を抜いてしばらく肋骨の動きを感じてみて下さい。
呼吸に合わせて肋骨が動いているのを感じられたら、吐く息にあわせてちょっとだけ、肋骨を両側から押してあげて下さい。 ワンちゃんの呼吸が深くなってくるのを感じながら10分ほど行って下さい。