Sくん
○基本情報
3歳、シーズー 男の子
○主訴
歩き方がぎこちない。
○歩様について
年齢的にもまだ若く、
相応によく動くため 筋肉は全体にしっかりしていますが
確かに足が捻れるように歩いています。
また、おすわりで必ず脚が開いてしまうのが気になります。
○筋肉の状態
肩甲骨間のこり(左>右) 腰のこり(左<右) 右坐骨が下がり、
背骨は大きくS字の湾曲をしていた。
肩甲骨上のキョク上筋にコリ
○骨格の観察
骨格の解説のため 簡易のイラストを使用します。
全体像としてはこのようなイメージになります Sくんは、
肩甲骨と比べ、上腕骨が若干長い子です 上腕骨が長い分、
前肢全体の長さは長めになるわけですが 後肢とのバランスをとるために、
肩関節を深めにしている状態でした。 そにため、通常の子と比べて肩関節が屈曲ぎみです。
(通常) (Sくんの状態)
肩関節に関わる、きょく下筋に比べて
きょく上筋に負担がかかっていたのは、
肘が屈曲ぎみだから。と考えられます。
肩関節には、肩甲骨の前側と後ろ側に、
きょく上筋、きょく下筋という二種類の筋がついています。
きょく下筋は肩関節の屈曲に働きます。
肩甲骨は正常で45度の角度をなすものなのですが
その状態でキョク上筋とキョク下筋は長さが均等となります。
肩が屈曲すれば、キョク上筋は引き伸ばされ
伸展すれば、キョク下筋が引き伸ばされます。
筋肉は縮んで力を発揮するものなので、
引き伸ばされた状態の方がより頼りやすくなります。
屈曲した肩関節は、重力下にいれば
当然さらに屈曲方向へ行こうとします。
これに対抗するために肩関節の伸展の筋肉、
すなわちきょく上筋肉に負担がかかるのです。