佐々野 由貴

犬の整体師養成講座を修了後
19年春より犬の訪問整体で独立。
ブログやSNSでも発信を続け
22年1月に施術ルームをオープン。

動物病院勤務20年以上。根っからの動物好き。

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私は動物看護士として長年勤めてきました。
嬉しい、楽しいこともあれば、悲しい、そして悔しい思いをしたことが数えきれないほどあります。

悔しい思いの一つが寝たきりになった大型犬の手遅れ。
フラフラでも歩けていればお母さん一人でも連れてこれた。
往診の時間まで待たなくても何か手を打てたかも。歩けていれば急激に弱らずにもっと長生きできたんじゃないか。などなど..

そんな時、飼い主さんは後悔されます。もっと早くに何とかしてやればよかった、て。


昔の私は「仕方ないですよ」としか言えなかったですが、今は「整体というものがあります!」とお伝えできます。

もちろん整体は万能ではないし、その子にそもそもの筋力がなければ立ったり歩いたりはできません。

整体は動くことの基盤となる筋力維持に繋がるものだと思います。
整体を選択の一つとして提案できたら…
それを自分がやってあげられたら…

医療とは違う視点から飼い主さまをサポートできる、素晴らしい技術だと思います。


犬の整体師養成講座
では解剖学をしっかり学びます。骨格や筋肉といった機能解剖はブレようがありません。

そして曖昧な表現やごまかしは当講座では通用しません。
「楽そうになった」「歩きやすそう」「なんか良くなった」などの表現は格好の餌食です。

どこがどういう状態で
どこをどうしたので
どう変わったから「歩きやすくなった」
という説明をしないと、小林先生がニコニコ笑って突っ込んできます。

最初はとても難しい!はっきりいってこの考察が一番大変です。
だけど分かるようになりたいから黙々と続けてきました。

ただ施術するだけでメモすら取らない施術者もいます。
それが悪いわけではないですが(ほぐすという目的は達成しています)、
犬の動きや体の状態をちゃんと分かるようになりたければしっかり考察すること、
その為に解剖学を学ぶ事がとても重要です。

なんでビッコひくの?
なんで時々足をあげるの?
なんでお座りを嫌がるの?

全てに理由があります。
整体ではどうにもできない事もありますが、そういうことも含め、
飼い主さんにちゃんと説明ができる。これは仕事としてやっていくなら一番大事な事ですよね。

おうちでケアするのは飼い主さんなので、飼い主さんが理解してくれないといい方向には向かいません。


犬は言葉でのコミュニケーションが取れません。
普段どう感じているのか、使いづらいと思うのはどこか聞けたら楽なのに・・・
でも体は嘘をつけないものです。
写真や動画から得られる情報もありますがやっぱり触るのが一番確実。触った反応で教えてくれる事もあります。

触って情報を得た後はそれを組み立てる「考察」をします。パズルのように、さっさと進むときもあれば苦労することも。
でも全部が繋がればなんともいえない爽快感があります。
「謎が解けた!」みたいな感じです。

施術して終わりじゃなく考察までやって、この爽快感を味わうと
「整体って面白い!奥が深い!」と感じて頂けるのではと思います。