なぜこの姿勢になってしまったか

●腰が丸まってきている可能性があります

(腰の湾曲についての解説はこちら

横から見た姿勢での腰の湾曲とは、このような状態です。

お尻が下がってしまっています。

このような歪みがあると後ろ足は後ろへの蹴りだしが浅くなり、歩幅が狭くなってしまいます。

後ろ足の歩幅が減少してしまうメカニズムは下記の通りです。

 
腰の湾曲がない状態では、後ろ足は十分に後方へ蹴りだすことができます。


しかし腰が丸まり、坐骨が下がってしまうと、坐骨を超えて後方へ蹴りだすことが難しくなってしまいまうのです。

その姿勢がなぜ悪いか

●後ろ足の衰えに繋がる

問題が後ろ足から発生した場合、その時点で前足の可動域はまだ十分動ける状態である可能性は高いのですが、前足と後ろ足の歩幅に差ができてしまいます。

そうなると、通常はまだ十分に動く前足を後ろ足の歩幅に合わせていくことになります。
(この結果肩甲骨の可動域が狭まることにもつながります)

ですがお散歩中や屋内でも遊んでいる時、飼い主さんに呼ばれたときなど、ちょっと急ぎ足になると、後ろ足が前足に追い付かなくなってしまいます。

そんな時、後ろ足の足りない歩幅の分を、ジャンプして足が浮いている時間を長くすることで補おうとするのです。
ジャンプするのは後ろ足だけなので、結果として腰が上下しているような歩き方になります。

もう少し急ぐと、今度は前足は大股で歩いているのに後ろだけ両足飛びで走っているような状態になることもあります。

その結果後ろ足の筋肉を十分に使えない。という状況に陥るのが一番怖いことです。
筋肉が十分に使えていないと、その部位は他の場所より早く筋肉が衰えてしまいます。
わんちゃん達の歩容が後ろ足から崩れていくのはそういう理由があるからなのです。

おすすめセルフケア

ふくらはぎほぐし

ふくらはぎは、人間のふくらはぎより上にあるイメージです。
膝の裏つまむようにして揉みますが、関節に近づきすぎないように気をつけてほぐして下さい。
ふくらはぎがほぐれにくかったら、パッドの少し上を握り親指で図の部分をほぐしてください。

もも裏ストレッチ

足首をやさしく掴んで、足を頭の方へじっくりと引き出し、ストレッチします。
反動をつけたりはせずに、じっくり伸ばし ます。
40秒ほどキープしてください。

これらの筋は足を後ろへ蹴りだす際に使う筋です。
たくさん運動した日の夜などは特に念入りに、40秒×3回ほどストレッチしてあげてください。
わんちゃんが嫌がったら、無理をせずすぐにやめてください。

前ももマッサージ

前モモの筋肉を下の写真のように前から揉みます。
大腿骨に押し付けるようにして、 指の腹と骨(大腿骨)で筋肉を挟むようにしますが、写真のように指を並べて、なるべく広い面で当てるようにしてください。
そもそも、前モモはそれほど凝り固まっている部位ではないので、あまりしつこくゆるめる必要はありません。片足3分ぐらいを目安にマッサージして下さい。

前ももトレーニング

①ワンちゃんが横になってリラックスしている状態、もしくは抱っこした状態で、後ろ足のパッドを優しくつかんで真下に引っ張ります。
②そのまま引っ張ると、ワンちゃんが抵抗します。
③ワンちゃんが抵抗したのを感じたら、手を離してください。引っ張りに対して抵抗する時が、鍛えたい前モモのトレーニングとなります。

もも裏ほぐし

ワンちゃんのお尻から矢印の方向に触ると坐骨に触れられます。
ほぐしたい筋肉は全て坐骨から出ている筋肉なので、坐骨を見つけて、その下を触ると、上記の筋肉が見つけられます。

親指と四本指で挟んで、なるべく指の腹の広い面積で揉み解すようにしてください。

足指マッサージ

足の指をほぐすことで足首の動きをよくすること、そして足先へつながる神経のつながりを強めることができます。
まず、足の指を一本ずつつまむようにほぐします。
その後、写真のように足のひらをグーパーと動かしてストレッチします。
片足3分ほどをめどに刺激を与えて下さい。